「パーラービーズ」の新と旧とは。
まずはアイロンビーズおばさんの作品を例に
溶け方の違いをご覧ください。
左側が旧規格品のパーラービーズ(2011年後半頃まで製造販売)、
右側が新、つまり現行品のパーラービーズです。
旧規格品はビーズの中心が良く溶けて四角っぽくなり、
周囲がボコボコしています。
ビーズの外周が溶けて下がるため、
ビーズ一粒一粒が合体している印象です。
現行品は表面が滑らかで、中心も円型を保ったまま溶けます。
ビーズ同士が一体化する為つぶつぶ感は少なく、面を形成しています。
※ビーズ穴の大小は、おばさんのアイロン掛けにムラがあったためです。
次に娘の作品をご覧ください。
全て旧パーラービーズを使いました。
好きな色である赤、ピンク、緑を中心にトレイに入れたにもかかわらず、
まんべんなく色を使ったモザイク模様です。
ツヤツヤ仕上げのプラシートでアイロン掛けしても、
穴が潰れるぐらい強めに溶かさないとツヤ感は出ません。
この作品ではビーズの粒が際立ってしまい、あまり効果がありませんでした。
とうめい、ラメとうめい、夜光は
現行品と同じく不透明の色と比べ溶けやすいです。
夜光は「しろ」が白に近く、「オレンジ」は黄色に近い色味です。
質感もビーズの側面が旧規格品はザラザラしていて、
現行品はツルっとしています。
もし混ざってしまっても見た目で判断できるほどです。
クッキングシートで仕上げた裏面です。
現行品より黒ずみが目立つビーズもあります。
〇旧パーラービーズは
・2011年後半まで製造販売
推定ではありますが10月頃が切り替え時期だったようです。
・パッケージ表記は「Made In U.S.A.」
・溶け方が一粒毎で、作品の表面が面というより粒の集まりになる
・黒ずみが目立つビーズが多い
です。
〇現行品のパーラービーズは品質が改善され、
「MADE IN CHINA」もしくは
「MADE IN DONGGUAN, CHINA.
(中国広東省中部にある工業地帯、東莞市⦅とうかんし⦆で製造の意)」
と表記されています。
今回、新旧パーラービーズの違いを記事にした理由は、
中古品を購入、使用する際に
「アイロンビーズ」が
疑問やトラブルの元になるのを防ぐ為です。
アイロンビーズおばさんは1996年頃から
「パーラービーズ」を使って作品を作っています。
初めてアイロンビーズと出会ったのは
ボーネルンド旧原宿店での「ハマビーズ」でした。
しかし、夜光ビーズの色数の多さと、
入手のしやすさから「パーラービーズ」を選びました。
どちらも同じハードタイプですが、
当時からビーズの高さや穴の大きさの違いなど、
微妙な違いが愛好家のサイトで指摘されており、
下記の結論に至りました。
「メーカーの違うビーズは混ぜない方がいい」
これは今なお、アイロンビーズに関して重要な点です。
大きさや溶け方が違うので、表面が均一に仕上がりません。
ビーズは”雑貨の一種”の扱いに過ぎないお店より、
アイロンビーズを主力に製造、販売されている
メーカーの商品をお薦めします。
ビーズもプレートも高品質です。
アイロンビーズおばさんは
おばあさんになっても作品を作って楽しむ人生を送りたいので、
信頼のおけるメーカーの商品を使い続けていきます。
こうした経緯から、1996年頃から2000年代にかけては
「パーラービーズ」に統一して作品を作っていましたが、
ある日、異変に気づきました。
「同じ色なのに溶け方が違う」。
おばさんはビーズを大量にストックしていたため、
定期的な補充はしていませんでした。
2014年、久々にパーラービーズ「みんなのくるまセット」を購入し、
封入されていた図案通りにビーズを並べ、
きみどり色のクレーン付きトラックを作りました。
いざアイロン掛けすると、
「きみどり」と「はいいろ」だけ一部のビーズが凹みました。
セット物はミックスカラーのビーズでした。
そこで、作業効率を上げようと、色分けしてある
手持ちのストックからもプレートに並べたのです。
新しく購入したビーズと自分の在庫を混ぜた行為が原因でした。
アイロンビーズおばさん、これはかなりショックでした。
ビーズの溶け方がキレイになったので、
品質を改良してくれた点は非常に嬉しいのです。
でも、おばさんがホコリが入らないよう容器に入れ、
冷暗所に保管してきたストックに
現行品がもう補充できないなんて、悲しすぎます。
ポリエチレンは劣化が少ないし、
布地の柄の様に流行り廃れにも左右されないはずだったのに。
結局、「新旧ビーズを混ぜないように作品を作る」
というシンプルな決まりを守りながら、
現在もメインで「パーラービーズ」を使っています。
スマートフォンが普及し、
オークションやフリーマーケットがより身近になりました。
「子供が遊ばなくなったので」と
アイロンビーズを出品している方をよく見かけます。
お子さんが既に中高生に成長している場合は
旧パーラービーズの確率が高いです。
中古品購入の際は出品者が
「複数メーカのビーズを混ぜていないか」
「旧規格のパーラービーズかどうか」
商品のパッケージや保存状態から確認すると、
お互い納得のいくお取引きができると思います。
アイロン掛け後の仕上がりが特に気にならないのであれば、
安価で旧規格のビーズを購入して、
子供と思いっきり作品作りを楽しむ、
という選択肢もあります。
溶け方が違っても、出品者の保存状態が悪いのではなく、
アイロンビーズのメーカーや、規格の新旧の違いが
原因となる場合がある点をご理解頂いた上で、
ビーズ遊びの世界が広がれば楽しいな、と思います。